飛燕レストアプロジェクト
深夜バスに揺られること9時間。やって来ました神戸三宮。
目的はもちろん
http://www.khi.co.jp/120th-Hien/#goods_info
三式戦飛燕の一般展示です。
日本では珍しい液冷エンジンを搭載した陸軍の戦闘機。
1943年から配備が始まり、その高速性能を活かした高い空戦能力に期待が寄せられましたが、不慣れな液冷エンジンにトラブルが続出。
予定されていた性能を発揮する事が出来ず、技術的には興味深いものの、戦闘機としての評価はけして高いものではありませんでした。
長らく鹿児島の知覧特攻平和会館に展示されていましたが、劣化が進んだため2015年から製造元である川崎重工に戻されてレストア。
修復完了後は岐阜のかみがはら航空宇宙科学博物館で展示が予定されていますが、歴史的に川崎重工と関わりの深い神戸にて今回の一時展示となったものです。
展示機体は三式戦飛燕II型改17号機。
モデラー的に言うと「三式戦闘機 飛燕二型改(ファストバック型)」になり、国内ではファインモールドとアオシマから、海外ではRSモデル等からキットが発売されています(記事末リンク参照)
意外に感じるかも知れませんが、ハセガワからはキットが出ていません。
一般にイメージする「日本の戦闘機」からは大きく離れた独特のフォルムに、味方からは敵機と誤認され、敵からはドイツ軍の戦闘機が配備されたと言われた不遇の子。
塗装については、戦後米軍や保存してきた団体等が塗り直してしまったため、判然としない部分もあるとか。
表面もデコボコしていてムラもあり、プラモデルでどこまで再現していいのか、いつも悩みます。
ドイツ製DB601エンジンを国産化ものを改良したハ140。
先進的な高性能エンジンでしたが、当時の日本の低い技術では大量生産する事が出来ず、完成した物も故障が続出。
多くの飛燕がエンジン無しの状態で放置される原因となってしまいました。
ハ−140の過給器(スーパーチャージャー)
これは実物では無く、当時ドイツで開発されたDB601の発展型、DB603に搭載されていた過給器を元に再現したものだそうです。
こちらが参考にしたDB603過給器。
配電盤と、座席の後ろに取り付けられていた防弾板。
操縦席の計器パネル。
潤滑油冷却器(ラジエター)
ラジエターは胴体下の『箱』にぶら下げるようにして取り付けられていました。
翼のライトは夜間着陸灯。
着陸脚の収納部分がライトブルーに塗られていますが、これは戦後米軍が塗ったもののようです。
70年を経た、新旧カワサキマシーンによるツーショット。
今回を逃すと次回は2年後になってしまう為、強引に行って来ましたが、それだけの価値がありました。
なお、今回の飛燕に関しては、冬コミか春のイベントの新刊でもう少し詳しい記事を書く予定です。
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