フジミ 1/72 九八水偵(夜偵)
任務の性格上、夜間の長時間飛行や、暗闇での着水が想定された為、フロート型に比べて耐波性の高い飛行艇型の機体と、安定性の高い複葉が採用されました。
昭和13年に正式採用された九八式は、主に軽巡洋艦に搭載され日中戦争に参加しますが、枯れた技術による手堅い設計は実用性こそ高かったものの、古さばかりはどうにもならず、3年後の太平洋戦争開戦時にはその多くが零式水上偵察機などと交代して後方で連絡機や輸送機として使われていました。
なお、この時期から偵察機全体の性能が高まった事から、専用の夜間偵察機の開発は本機が最後になりました(開発計画だけはあったようです)。
任務の特殊性から生産数は試作機を含めても17機と少ないにも関わらず、後方勤務が幸いしてか、終戦の時点で7機が残存しています(戦後全機が失われました)
作例はフジミの1/72 98式水偵(夜偵)。現在のところこれ以外の98水偵のキットはありません。わざわざ箱に「上級者向け」と書いてあるだけあって、キットには専用の治具が付属しており、その治具を使っても、上翼の固定にはある程度の技術と慣れが必要です。
説明書では上翼にエンジンを取り付けてから胴体に接着するよう書かれていますが、先に取り付けるとエンジンが邪魔で支柱の接着に苦労するので、先に上翼だけを支柱で固定してから、エンジンを取り付けましょう。コクピットの風防も、支柱を取り付ける際に邪魔になるので最後に取り付けた方がいいでしょう。
ゲームのグラフッィクに描かている機体番号「F-2」は神通に搭載されていた機体のもので、何故か夜戦バカ川内のものではありません(ちなみに川内搭載機はF-1)
キット付属のデカールは川内と那珂ちゃん搭載機の物しか無いので、今回は川内用のデカールから「F-」だけ利用し、ジャンクのデカールから使えそうな「2」を探してきて流用しました。
長らく絶版状態でしたが、艦これ登場の少し後に再販がかかり、現在は普通に入手できます。
*冬コミの新刊にこのキットを使用した記事を掲載しています。
詳細は以下のリンクから。
https://webcatalog-free.circle.ms/Circle/14211890